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子どもは原則、天使

by ミケ

 ボン、学校から3時に帰ってきた。家に入るや、借りてきたゾロリを読み始める。

 「手ぇ洗いや〜」という私。

 「おん」とボン。

 数分経って、また、「手ぇ洗いや〜」。「おん」とボン。

 「手ぇ洗いや〜」「おん」。

 数分後「手ぇ洗いや〜」「おん」

 ……

 「ゴルァ〜聞ぃとんのかっ!」

 ガツと怒って、無理矢理に手を洗わせる。カラカラ笑うボン。オカン舐めとるなぁ。

 「早よう帰ってきたんやし、宿題を先しよし。先にやったら、後でいっぱい遊べるやん?」と私。

 「おん」とボン。

 ふむむ…イヤな予感。笑

 そう、その通りですよ。この後、皆さんの予想通りの展開。30分に一度くらい「宿題しぃや」と言うのだが、一向に取り掛からず、ダラ〜としている。

 母親が急かせば急かすほど、コアラかナマケモノのように、体も脳みそも動かんようになるみたい。

 すでに夕方5時。帰ってきてから、2時間も経っていた。私のイライラも煮沸点間近。

 いやはや、この子、小さい頃の、私に、ソツクリ!笑

 振り返れば、私自身も、幼い頃、どれほど母親から「早ぅしなさい!」と怒鳴られてきたことか。そして、それが、すごくすごくすごく嫌だった。言われれば言われるほど、怒られるほど、体が硬直してしまってたこと、忘れていた。

 なのに、なんといふことか?

 かつての母と同じイヤなイヤなことを、私は息子に投げているではないかっ!

 は〜、やーめよっと。

 あたしゃ、軽やかに止めることにした。宿題せえっていうことを。

 自分の思うようにやりなさい。おかーちゃんは、それを信じることにする。キミが小学二年生でも。

 かーちゃんが何も言わず、放置していると、ダラダラしていたのを辞め、宿題を…というのは真っ赤な嘘で、厚紙を出してきて絵を描き始めた。そのうちにそれにハサミを入れ、立体工作が始まった。

 とにかく、信じることにした私は、一緒に遊んだ。お題を出し合ってお絵描きをした。

 その後は、チャレンジパッドから音楽が流れてきたので、お絵かきを止め、そのままパッドを開けて、一気に今月分のチャレンジをやってしまった。

 しかし、まだ宿題に手をつけてはいない…

 ちょっとは気になるけれど、もう、言わない。あたしゃ、気楽にしていることにしよう。

 私は、ボンを信じた。ボンの中の「タネ」を信じた。そのタネは、私が押したり引いたりしなくても、タネ自身が導くだろう。

 まあ、こういう引き際の良さは、娘の育児で学んでいるから、大丈夫。任せておけばいいだけ。

 自宅学習の流れで言えば、大人の理想とは違うけれど、まあ、ええわ。

 そう思ったら、俄然面白く感じてきた。

 この子は、私が当然と思ってやってきたやり方と、ぜんぜん違う学習方法を見せてくれるのだろう。そこには、きっと、私が知らない、目からウロコの、ナポレオンの卵的な、アホみたいな、笑えるものもあるのだろう。

 子どもは原則、天使。天使ザウルス。大人をかき乱し、新発見に導いてくれる。

 宿題に、ようやく取り掛かったのが夜9時──ということは、先生にも、とーちゃんにも内緒だけど…ね。

#Diary

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