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めったにない伊勢海老のはなし

by ミケ

先日、友人から伊勢海老をいただいた。あまりに立派な4尾の伊勢海老を前に、思わず遠慮を伝えると、彼女の方も「ええの、ええの。こっちも頂き物だから」と言った。

2尾は大鍋で塩茹でにして食べた。
残りの2尾は、塩茹で後に身をほぐし、グラタンを作った。


さて、幼い頃の話。
伊勢海老などを購入することなどなかった実家だが、かつて一度だけ、家に伊勢海老がやって来た記憶がある。

小学3、4年の頃だったか、ある日、冷蔵庫を開くと、伊勢海老が真ん中にでんと居座っていた。
おそらく頂き物だったに違いないが、詳しいことは、幼い私には何の記憶もない。
ただ、巨大な虫のような伊勢海老が珍しく、しかしグロテスクで気持ちが悪かった。
私は、怖いもの見たさで、何度も冷蔵庫をあけて眺めていた。

その時、母は何を考えてか、伊勢海老の背を指でつまみ上げ、よりグロテスクなエビの腹の方を私に見せつけた。私は、ぎゃーと叫びながら逃げた。
いたずら好きの母は、面白がってそのまま追いかけてきた。私は、さらに慌てて狭い家の中を逃げ走り、はずみで玄関の土間に落ち、コンクリートの床の上に、したたか尻もちをついた。

その私の姿に、母は「ごめんごめん」と謝りながら(謝ってたかな?)、爆笑していた。

披露宴会場などで出される立派な伊勢海老を見ると、反射的に蘇る出来事。
母の大笑いと私の泣き笑い。

#Memories


ミケ
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